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ロールス・ロイス リンク集

1906年に設立されたロールス・ロイス社(Rolls-Royce Limited)は、航空機用エンジンや乗用車の製造を行うイギリスのメーカーであった。1931年には同じイギリスのスポーツカーメーカーであるベントレー社を買収するなど規模を拡大し、特に乗用車製造においては高級車の代名詞となった。しかしながら 1960年代になると、乗用車製造における技術革新の遅れ、更には新たに開発・発売した航空機用ジェットエンジン「RB211」による損失の拡大などのために経営が悪化した。そのまま1971年に経営破綻、イギリス政府によって国有化された。 1973 年、国有会社となっていたロールス・ロイス社のうち自動車部門(ベントレーを含む)のみが分離され、イギリスの製造会社・ヴィッカースに譲渡された。この再び民営化された自動車部門は、ロールス・ロイス・モーターズ社(Rolls- Royce Motors)と命名され、ロールス・ロイス車の製造・販売を継続することとなった。1998年、ヴィッカーズはロールス・ロイス・モーターズの売却を計画、最高額を提示したフォルクスワーゲンがその買収に成功した。しかしながらこの際、ロールス・ロイスのブランド名やロゴマークなどはBMWに譲渡されるという捩じれが生じている。その後、フォルクスワーゲンとBMWの協議の結果、2003年1月からはロールスロイスの製造販売はBMWが、ベントレーの製造販売はフォルクスワーゲンが行うこととなった。BMWは同年、ロールス・ロイス・モーター・カーズという自動車会社を設立、社屋や工場を新築し、独自に開発した「ロールス・ロイス」の製造販売を開始した。 一方、国有企業として残存したロールス・ロイス社では航空機用エンジンや船舶の製造などが行われていたが、1988年に再度民営化され、新生ロールス・ロイス社(ロールス・ロイス plc)として現在に到っている。

1904年5月に、マンチェスターで「ロイス10HP」に試乗したスチュアート・ロールズとクロード・ジョンソンは、性能の優秀さにいたく感銘を受けた。ロールズは「ロイス車の販売を一手に引き受けたい」と申し出、ロイスもこれを了承した。以後ロールズとロイス、そしてジョンソン(彼はその働きから Rolls-Royce の"-"(ハイフン)と評された)のチームは、相携えて高性能車の開発、発展に著しく寄与することになる。 しばらくは両者は別会社の形でロールス・ロイスブランドの自動車の製造・販売を行った。C.S.ロールズ社とロイス社自動車部門の合同で「ロールス・ロイス社」(Rolls-Royce Ltd )が設立され、名実共に「ロールス・ロイス」となるのは1906年である。ロイス社でも経営をコントロールしていたアーネスト・クレアモントが(ジョンソン以上に裏方に徹する形で)ロールス・ロイスでも経営実務にあたり、1907年から1921年に没するまで社長を務めている。 当初、マンチェスターのクック・ストリートにあったロイスの工場で生産が行われたが、1908年にはダービーに本拠を移している。ロイスは1904年末から2気筒車とその気筒数を増やして延長した3気筒車、4気筒車、6気筒車を製作、当時のイギリス車の中で性能的に群を抜いた存在として注目され、自動車先進国であるフランスでもパリでの展示会で高く評価されるなど成功を収めた。既に「パルテノン神殿をモチーフとした」とされる独特のラジエター・デザインはこの頃に定着していた。最初の2気筒10HPは6台が現存している。 4気筒モデルは1905年、ロールズらの運転でマン島TTレースに出場、健闘を見せたがギアボックスのトラブルで2位となった。ロールズは翌年のT.T. レースでは雪辱を果たし、平均時速39マイル(63km/h)の快速で優勝している。

国有化後の1973年、自動車部門(ベントレーを含む)は分離・民営化されることが決定した。売却先は当時同国の大手メーカーであったヴィッカース社であり、社名は「ロールス・ロイス・モーターズ(Rolls-Royce Motors)」とされた。 1975年には、ピニンファリーナによるデザインを持つ2ドアクーペの「カマルグ」が登場した。1980年には、シルヴァー・シャドゥを継ぐ新モデルとして、空力を意識したデザインに、車高自動調整機能付きの後輪独立サスペンションや角型ヘッドライトを備えた「シルヴァー・スピリット」(ホイールベース延長型は「シルバー・スパー」、ベントレーでは「ミュルザンヌ」)が登場した。 1992年、近代化と新型エンジンの開発コスト削減のため、ロールス・ロイス・モータースはドイツの自動車会社BMWと提携した。その後、デビューから20年近くが経過し旧退化していた乗用車「シルヴァー・スピリット」の後継モデルとして1998年3月に発表された「シルバー・セラフ」には、 BMW製のV形12気筒エンジンが搭載されることになった。 同年、親会社であるヴィッカーズは、ロールス・ロイス・モーターズの売却を決定した。売却先は提携関係にあったBMWが有力であったものの、買収に成功したのは最高額を提示したドイツのフォルクスワーゲンであった。その後、フォルクスワーゲンは、BMWからエンジン供給を受けることによってロールス・ロイスの従来モデルの製造・販売を、2002年末まで行った。 2003年1月、BMW、フォルクスワーゲン両社間の契約に基づき、「ロールス・ロイス」のブランドを冠した乗用車はBMWが製造・販売し、フォルクスワーゲンは「ベントレー」のみを製造・販売継続することとなった。「ロールス・ロイス」ブランドの乗用車を生産・販売する権利を得たBMWは同年、新会社「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」をイギリス南部のウェスト・サセックス州グッドウッドに設立し、現在まで同ブランドの乗用車を製造・販売している。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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